県津波対策検討委員会:報告書を知事に提出 避難対象者、最大1万1140人盛り込む /鳥取
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120718-00000273-mailo-l31
◇9市町村で建物2000棟が全半壊、死者15人
東日本大震災を踏まえ、津波による県内の被害想定や対策の検討を行ってきた「県津波対策検討委員会」(会長・松原雄平鳥取大大学院教授)は17日、浸水予測図などこれまでの検討結果に加え、震源地によっては県内沿岸9市町村で建物約2000棟が全半壊し、死者が15人、避難対象者が最大1万1140人に上ることなどを盛り込んだ報告書を平井伸治知事に提出した。県が津波に特化した報告書をまとめたのは初めて。市町村が策定を急いでいる地域防災計画や避難想定の参考資料にしてもらうという。【田中将隆】
今回、新たに明らかになったのは、津波による人的・建物被害の具体的な想定数値。浸水の深さや津波の高さを基に、東日本大震災の被災調査などに照らし合わせて計算した。これまでもマグニチュード(M)7・4の地震を基にした被害想定はあったものの、波源が仮想のものだったことなどから、信頼性は高くなかったという。
同委は、昨年7月末から3月にかけて計4回の会合を開き、県への影響が大きく比較的発生確率が高いとされる「佐渡島北方沖」(M8・16)、「鳥取沖東部断層」(M7・3)、「鳥取沖西部断層」(M7・05)の3波源についてシミュレーションを重ねた。
その結果、
浸水面積では、高低差の少ない境港市が約5・5平方キロで県内最大の被害となり、津波の高さでは大山町が約7・6メートルと最も高い波が押し寄せることが分かった。
また、県中西部の市町村は「佐渡島北方沖」が波源となる津波で大きな被害に遭う一方、県東部(鳥取市、岩美町)は「鳥取沖東部断層」での被害が最大規模となることが判明。
中西部では津波の到達に1~2時間がかかるが、東部は波源が近いこともあり、10分程度で押し寄せるなど地域によって特性が全く違うことも明らかになった。
このほか、津波が河川をさかのぼるケースの検討や、1800年代など過去の津波被害の文献収集などの結果も掲載している。
松原会長は「今回はこれまで想定外とされていた津波について検討した。各市町村の具体的な対策の資料になると思う」と説明。平井知事は「危険を回避する方法が見えるシミュレーションだ。地域によって、いくつかの防災パターンが考えられるので、市町村と一緒になり早急に対応を考えていきたい」と話していた。
報告書は、県ホームページの危機管理局のページ(http://www.pref.tottori.lg.jp/kikikanri/)で見ることができる。
●鳥取県危機管理局
http://www.pref.tottori.lg.jp/kikikanri/
鳥取県津波対策検討委員会
http://www.pref.tottori.lg.jp/item/737754.htm#itemid737754
ここは東部。約10分で津波が押し寄せる。
標高は2m。
避難場所は、海方向に歩いて5~6分程度。
地震発生と同時に非難しかない!