山陰の日本海沿いには、湖(池)がたくさんある。
中でも宍道湖(しんじこ)=しじみは、幼い頃から知っていた。
最近は、シジミの大量死やどぶ臭さが強くなったなどの
中でも宍道湖(しんじこ)=しじみは、幼い頃から知っていた。
最近は、シジミの大量死やどぶ臭さが強くなったなどの
宍道湖のニュースを見聞きするようになった。
宍道湖は、
宍道湖は、
淡水湖ではなく汽水湖。
透明度は近年悪くなっている。
原因は特定されていない。
●読売新聞 2012年8月9日
宍道湖のヤマトシジミ 資源量最低
http://www.yomiuri.co.jp/otona/naturallife/09/shimane/20120809-OYT8T01068.htm?from=popin
島根県は、今年6月に調査した宍道湖のヤマトシジミの資源量が1万5408トンと推定され、1997年の調査開始以来、最低になったと発表した。
2万トンを割り込んだのは初めてで、4月に設置した有識者らによる「宍道湖保全再生協議会」で原因究明を進め、対策を検討する。
資源量は湖に生息するシジミの推定量。調査は毎年春(6月)と秋(10月)の2回行っている。湖の124か所でサンプルを採集し、全資源量を推定。その結果、昨年秋の約3万3000トンから半減しており、過去最低だった98年春の2万790トンを下回った。
宍道湖では近年、冬場に原因不明のシジミの大量死が起きており、例年秋から翌年春にかけては資源量が減少している。ただ、今年は前年に続いて、秋から春にかけての減少割合が5割と大きかった。県などの継続監視でも、昨年11月から今年2月頃までの間、かなりの大量死が見られたという。
資源量の減少で、宍道湖では2011年、漁獲量が2200トンに落ち込み、20年間守ってきたシジミの全国1位の座を十三湖(青森県)に明け渡したばかり。宍道湖漁協(松江市)はシジミの回復を目指し、休漁日を増やすなどの対策を続けているが、今回の結果を受け、さらなる対応策を県と協議する。
同漁協の高橋正治参事は「行政や専門家と協力し、冬に大量死する仕組みを解明し、ヤマトシジミという島根の財産を守りたい」と話している。(矢沢慎一)
人間は、どこまで自然を管理できるだろうか。
<宍道湖しじみ漁業>
・宍道湖は、ヤマトシジミの産地で島根県の漁獲量の9割以上を占めている。
・1970年代から漁獲量日本一で、1990年に秋田県に首位を明け渡したが、その後も年間6000~7000トンでトップだった。
・2011年農林水産省統計で、シジミのの全国漁獲量は9474トン。島根県は大幅に減少し2358トン。十三湖や小川原湖がある青森県が3672トンで日本一。
(余談)
鳥取砂丘は面積では日本一ではない。日本一は青森県の猿ヶ森砂丘(防衛省の施設)。
<大幅減少の原因とされる一例>
・漁獲量制限。1隻当たりの漁獲量の上限を1日150キロから120キロ、2008年には90キロに制限。
・操業日数。週の操業日数を4日減から3日に変更。
・1997年頃からの多雨などで塩分濃度が低下。
・アオコの発生
・酸素濃度の低下
・プランクトンの減少
・高水温によるストレスで成長不良
・低塩分による産卵期の遅れ
・湖底にヘドロが溜まり、底質の連続的な悪化が生息環境を悪化
・宍道湖に入る潮の流れが弱くなった
・湖の生態系の狂い
何かに食べられてもいるかも?
<今までの対策の一例>
・湖底の耕耘
・ゴミの除去
・覆砂
・漁獲量と操業日数を制限して資源管理対策
・下水道の整備、工場、事業場の排水規制などを総合的、計画的に推進
・一斉清掃など地域ぐるみでの水質浄化活動
・2012年4月23日「宍道湖保全再生協議会」を設置。
●産経ニュース 2012.4.24
宍道湖のシジミ、減少原因解明を 保全再生協議会初会合 島根http://sankei.jp.msn.com/region/news/120424/smn12042402120001-n1.htm
宍道湖の生態系変化の解明を目指す「宍道湖保全再生協議会」(座長・山室真澄東京大大学院教授)の初会合が23日、松江市の県職員会館で開かれた。同湖特産シジミの減少原因を解明し、対策につなげる。
委員は大学教授や、宍道湖漁協のメンバーら11人で構成。県農林水産部の廣山久志次長が「宍道湖は近年、アオコの発生や洪水など、これまでとは違う環境に置かれている。シジミを中心に再生を考えたい」とあいさつした。
会では県水産技術センターが宍道湖のシジミについて、殻長17ミリ以上の大型貝の割合が平成14年の11%が、昨年は3%に減少したことを報告した。
また、18年以降、秋から春にかけシジミが大量に減っていると説明。委員からは「湖の環境を含めて原因を考えていかねばならない」などの意見が出された。
第2回会合は10月を予定している。
<宍道湖保全再生協議会>
宍道湖保全再生協議会委員名簿
http://www3.pref.shimane.jp/houdou/files/61425BC9-7C9E-48D2-A8CF-EB48F19E8690.pdf#search='%E5%AE%8D%E9%81%93%E6%B9%96%E4%BF%9D%E5%85%A8%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A'
●宍道湖漁業協同組合
http://shinjiko.jp/index.php
事業・活動
http://shinjiko.jp/index.php?id=5
(一部抜粋)
宍道湖ヨシ植えプロジェクト
国土交通省出雲河川事務所、NPO法人斐伊川くらぶ、周辺市町村が主体で行っている、宍道湖湖岸でのヨシ植栽活動。当漁協は毎年ボランティアとして参加協力しています。
国土地理院も調査開始。
●国土地理院 2012年10月5日
島根県「宍道湖」の湖底地形を調査します
http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/kankyochiri_2012shinjiko.html
国土地理院は、中国地方整備局出雲河川事務所、出雲市、宍道湖漁業協同組合の協力を得て、平成24年10月11日(木)から18日(木)にかけ、島根県「宍道湖」の一部地域(別紙)の湖底地形を調査します。
国土地理院では、全国の自然湖沼81湖沼を対象に湖沼調査を順次実施し湖沼図を提供しており、環境保全や水資源管理計画などに活用されています。「宍道湖」は昭和37~38年に調査を行ってから50年が経過しており、湖底などの地形が変化していると考えられることから、再度調査を行うこととしました。
調査で得られるデータは、湖底地形変化が把握できると共に、湖沼管理やシジミなどの漁業計画における基礎資料として活用されることが期待されます。
鳥取県と島根県が連携して取り組んでいる。
●鳥取県
鳥取県と島根県の連携した取組み
http://www.pref.tottori.lg.jp/100392.htm
(一部抜粋)
中海・宍道湖周辺環境の保全・利活用
中海に関わる行政機関の連携
両県及び沿岸市町、国の機関など中海に関わる行政機関が集まり、中海の水に関する諸問題の解決に向けて協議検討する協議会「中海会議」を平成22年4月に設立しました。未来に向かってよりよい中海圏域を築くため、活発な議論を進めていきます。
中海・宍道湖一斉清掃
ラムサール条約に登録された中海・宍道湖の、貴重な湿地環境保全に対する意識向上を目的に、両県及び沿岸自治体、そして地域住民の協働により平成18年より実施しています。
■中海・宍道湖一斉清掃
中海自然再生協議会による中海の自然再生に向けた取組み
清掃活動やエコツーリズムなど、地域住民やNPO等が、県境を越え環境保全活動などに取り組んでいます。平成20年11月には自然再生の長期的方向性を示す全体構想を策定されました。
かつて、こんなこともあった。
●中海・宍道湖淡水化事業
1963年 米の増産を目的として、宍道湖と中海を淡水化することで農業用水として利用する事業計画を着手。
(米の減反や淡水化による水質の悪化などが問題となる。)
1988年 島根県と鳥取県が国に工事の延期を申し入れて、事業凍結。
2002年 宍道湖、中海の淡水化事業中止。
現在は島根・鳥取両県が連携して水質改善に向けた取り組みが行われている。
宏観異常現象でないことを祈る。