日本海の急速な温暖化_地球温暖化_日本海側にある原子力発電所_火力発電_京都大学原子炉実験所助教・京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻助教・小出裕章

原発の温排水と
日本海の急速な温暖化


この日本という国は結構雨に恵まれた国で、そのために豊かな森林が残っているという国。その日本という国に降る雨の総量は一年間に6千5百億トン。一部は蒸発してなくなる-し、一部は地下水になっていって、川を伝って海へ流れていく量は4千億トンとなっている。
日本の全部の川です。その川が全部海に流れ込むのが四千億トン。それに比べて原子力発電所だけで一年間に1千億トン、7度高い川を今も日本周辺に流している。地球温暖化と-いう問題があって、この問題をやり始めると今日のような集会をもう一回開いて頂かないといけないぐらい重要な問題。
私はいま二酸化炭素で温暖化しているということなどウソだとずっと発言している人間で全く信じていませんが、少なくとも世界の海が少しずつ暖かくなっているというデータが-一方であるんですね。
確かにそうかもしれないけど、じゃあ日本近海はどうなのかというと、世界全体の海の温度上昇のスピードに比べると日本近海はその何倍ものスピードで上がっている。特に日本-海が上がっている。私はそれは日本海側にある原子力発電所の影響がなにがしかあるだろうと私は思っています。
こういう話をすると、いや火力発電所だって同じじゃないかと言う人がいるんですけれども、火力発電所というのは現在はずっと効率の良い蒸気機関になっていて、熱効率は50-%を超えています。
つまり100万キロワットという火力発電所は海へ捨てる熱は100万キロで済む。50%ということですから、電気が100万。棄てるのが100万。原子力発電所の場合には-100万の電気を得るために200万海に捨てなければいけない。
つまり火力発電の倍捨てなければいけないという、そういうバカげた装置ですので、火力発電だって別に良いわけではないですけれども、でも海を温める効果に関して言うなら原-子力は最悪だと私は思いますし、本当に温暖化が大変な問題だというなら、原子力も止めなければいけないと思います。