鳥取県の面積の約7割は森林_県民税_森林環境保全税_税収は年に1億7,000?8,000万円程度_県税条例改正案・2018年3月末まで期間延長を検討

●毎日新聞 2012年08月21日
なるほドリ:森林環境保全税って何? /鳥取http://mainichi.jp/area/tottori/news/20120821ddlk31070543000c.html

 ◇県民全体で守ろうと05年度に導入 県民税に上乗せ、期間延長を検討

 なるほドリ 森林環境保全税という税金が課されるようになるって聞いたんだけど?

 記者 正しくは、森林環境保全税はすでに県民税に上乗せされる形で、県民が負担しています。税の適用期間が来年3月末までになっているため、県は今、税率などはそのままで、18年3月末まで期間を伸ばす方向で検討を進めています。今後は年内に、県税条例改正案を県議会に提出する方針です。

 Q 森林環境保全税ってどういうものなの?
 A 県の森林を県民全体で守ろうと、05年度に導入された目的税です。「県民に広く薄く偏りのない負担」にしようと、年間で個人は500円、県内に事務所を置く法人は資本金に応じて年間1000円?4万円を県民税に上乗せする形で徴収されています。年に1億7000?8000万円程度になる税収は、基金として積み立てられ、間伐の実施や荒廃地への植林の支援、放置竹林対策などの森林整備や、森林関係のイベントに限定して使われていますね。

 Qなぜ県は森林保全に力を入れるんだろう?
 A 鳥取は面積の約7割を森林が占めていて、“森林県”という呼び方もあるくらい林業が盛んでした。ところが、木材価格の低下や人件費の高騰、従事者の高齢化などが影響して、林業は衰退傾向。森の手入れが行き届かない状況になっています。そうなると、森が持つ水を蓄える機能などが失われ、結果的に水源の水質が悪化したり、土砂災害が起こりやすくなったりしてしまいます。森林の多い県としては死活問題なんですね。

 Q 巡り巡って、自分たちのためになるってことか。でも正直、こんな税金を払っているなんて知らなかったよ。
 A 実は、税の存在自体を知らない人が多いようなんです。県が1?2月に実施したアンケート(有効回答者168人)では、約5割の85人が「知らない」と答えていて、「何となく知っているが、詳細は知らない」という回答も約3割に上っています。

 Q じゃあ、ちゃんと知っている人は約2割?
 A そういうことになります。一方で、税負担に関しては「賛成」と「税負担の程度にもよるが賛成」を合わせると8割以上を占めていて、継続すること自体に反対の人は少なそう。負担額も約8割が「妥当な金額」と答えています。ただ「県民に税負担の意識が無く、普及啓発が必要だ」との声もあって、県は県内で来春開かれる「第64回全国植樹祭」の機運を高めるためにも、税の周知に力を入れていくようです。<回答・田中将隆>

鳥取県の面積の約7割は森林。