中海(なかうみ)は、鳥取県境港市、米子市と島根県松江市、安来市にまたがる湖。
海と水路が繋がった汽水湖で、海水魚、淡水魚とも生息している。
米子市では錦海と呼ぶこともある。
●日本海新聞 2012年07月11日
中海湖底から酸素含む塩水 アサリに好適、再生期待
http://www.nnn.co.jp/news/120711/20120711036.html
中海沿岸の一部の湖底で、アサリの生息環境に適した酸素を含む塩水が湧き出ていることが10日までに、鳥取県の調査で分かった。
特に境水道周辺で多く見られ、湧き出ていない水域より水草が繁茂しやすいという。県は今後、この水域を隔離・確保し、漁獲が激減したアサリ資源の再生に活用したい考えだ。
地元の漁業者や環境団体などから情報提供を受け、県が昨年夏から沿岸部12カ所の湖底を調査。米子市内で同日開かれた中海水質・流動会議で結果を報告した。
県によると、全12カ所で湧き水を確認し、多い地点は1平方メートル当たり1時間で100リットルに上った。いずれの地点も1リットル当たり5・08~8・18ミリグラムの酸素が含まれ、透明度が高いという。湧き水は淡水ではなく塩水であることも判明した。
中海のアサリはかつて年間500トン近くの漁獲があった。しかし、水中の酸素が少なくなる貧酸素化や、鳥や魚に食べられて成長できず、2010年度は7トンに激減。集中豪雨の際は塩分が急激に減り、大量死の原因となっている。
県はこの日の会議で「湧水水域をうまく活用すれば水質改善、自然再生を効果的に実現できる可能性がある」と指摘。想定案として、湧水水域を波消しブロックなどで隔離する「箱海」の設置を示し、アサリ資源の創出の場を確保できると説明した。
地元漁業者の石倉正夫さん(65)は「湧水水域では貝類がまだたくさん生きている。こうした水域を早急に保護する必要がある」と訴えている。