原子力規制委員会が原発事故を予測し、放射性物質拡散シミュレーションマップや事故想定、積算被曝線量を公表_島根原発・鳥取県_6原発で誤り

●時事ドットコム 2012年10月29日
拡散予測、6原発で誤り=要避難の最遠地点は長岡市-計算結果の方位にミス・規制庁
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012102900897
 原子力規制委員会は29日、24日に公表した各原発の事故時の放射性物質の拡散予測結果について、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)など6原発で方位などが間違っていたと訂正した。当初の公表では、柏崎刈羽原発から東南東に40.2キロ離れた新潟県魚沼市が避難が必要な最遠地点だったが、正しくは東側で、同県長岡市内だった。
 規制委の事務局機能を担う原子力規制庁の森本英香次長は「科学的な見地から防災対策に資するシミュレーションをつくるという委員会の事務局として、このようなミスをしたのは大変申し訳ない」と謝罪。関係する自治体には連絡と謝罪を終えたという。
 ミスがあったのは、柏崎刈羽原発のほか、日本原電東海第2(茨城県東海村)、北陸電力志賀(石川県志賀町)、日本原電敦賀(福井県敦賀市)、九州電力玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)の計6原発。
 いずれも、処理を担当した原子力安全基盤機構(JNES)が、各原発の風向データを入力する際、方位を表すコード番号が原発ごとに違うことに気付かずに入力。計算結果の方位が、南南西が南に、東が東北東にずれるような形で誤っていた。
 また、玄海、川内両原発では、気象データの中で欠落した部分についての処理を誤ったため、一部の地点で拡散距離が最大300メートル長くなったり、短くなったりした。

●朝日新聞 2012年10月25日
避難計画の完成急務 放射性物質拡散予測
http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000001210250003
 原子力規制委員会が24日、公表した放射性物質の拡散予測は島根原発(松江市)についても示されたが、避難を判断する基準値となる1週間で100ミリシーベルトの積算被曝(ひ・ばく)線量が想定される地点は、新たに防災重点区域になる30キロ圏内に収まった。同圏内には境港市、米子市の一部の計約6万5千人が住んでおり、県や関係自治体は、原発事故に備えた住民避難計画作りを急いでいる。

 拡散予測によると、島根原発で事故が起きた場合、国際原子力機関(IAEA)の避難基準にあたる、7日間で100ミリシーベルトの積算被曝線量になると想定される地点は、原発から南東方向24・2キロの島根県安来市にまで達した。

 予測は、建設中の3号機も含め1~3号機の3基の出力に対応した放出量を仮定した。鳥取県方向の東、東南東では、原発から東8・9キロ、東南東23・8キロでも避難基準に達したが、いずれも県内に届かなかった。しかし、予測は原発敷地内の気象データに基づくもので、地形や各地域ごとの風向、風速などを考慮しておらず、事故の規模などによっても拡散の範囲は変わる。原子力規制庁原子力防災課も「あくまでも予測は拡散傾向を示した目安」としている。

 県にはまだ正式な説明がないが、県原子力安全対策室の水中進一室長は「30キロ圏内に収まったことで、防災の重点区域を30キロ圏内で作る妥当性が示されたとも言える」と受け止める。一方、「地形条件を考慮していないなど、データをどう解釈すればいいかわからない点もある。どう地域防災計画作りに使うのかも、規制委の説明を求めたい」と話した。

 県は、島根原発の事故を想定し、原発から半径30キロ圏に入る境港市と米子市の住民を対象にした住民避難計画を作成を進めており、9月県議会に概要を報告した。

 計画では、原発事故や津波など複合災害で弓ケ浜半島を通る国道431号が使用できない状況を想定した。同圏内の境港、米子両市計約6万5千人のほか、島根県側の松江市、安来市の一部の避難者も含め、計約8万人を鳥取県内の30キロ圏外へ避難させる。境港市、米子市の避難先は、鳥取市、倉吉市、岩美町、八頭町、東伯郡。島根県側の約1万5千人は、西伯郡、日野郡、若桜町、智頭町での受け入れも準備している。米子、境港両市の避難分については自治会単位のマッチングもほぼ終わった。

 福島第一原発の事故では自家用車で避難する人も多かったことから、移動手段として自家用車を基本としたほか、避難経路は国道9号、米子自動車道、中国自動車道の3主要道路を通る経路を指定。避難途中の道路沿いには放射性物質による汚染状況を調べる「スクリーニング」会場を設けることなども盛り込んだ。

 一方、自家用車以外の避難手段の確保や、少なくとも約3300人に上る高齢者や障害者、入院患者ら30キロ圏内の災害時要援護者の対策など課題も山積する。水中室長は「来年3月までに策定が義務づけられる地域防災計画と並行して作る大事な計画。残された時間は少ないが、両市や島根県と連携して万一の原発事故に対応できる実効性のある計画の完成を急ぎたい」と話す。(佐藤常敬)

●SankeiBiz 10月24日
【原発事故被害予測】放射性物質拡散最大は柏崎刈羽原発 住民避難範囲は40・2キロ
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121024/ecc1210241158001-n1.htm
 原子力規制庁は、全国の16原発で東京電力福島第1原発事故並みの事故が発生した場合、住民の避難が必要となる範囲を示した放射性物質拡散シミュレーション10+ 件マップを作成、24日の原子力規制委員会10+ 件に提示した。稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)では南32・2キロ(京都府南丹市)まで、最も広範囲に影響が及んだ東電柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)は東南東に40・2キロ(同県魚沼市)までだった。全国の原発事故被害予測を国が示すのは初めて。
 各自治体が原発事故に備えた地域防災計画を策定する際の参考資料としてまとめた。ただ、シミュレーション結果は前提条件によって大きく変わるため、規制庁は「あくまでも目安として参考にすべきデータ」としている。
 シミュレーションは、(1)福島第1原発事故と同じ量の放射性物質(ヨウ素換算で77万テラベクレル、テラは1兆)が拡散する場合(2)福島の放出量をもとに各原発の出力に合わせ再計算した場合-の2つ。実際の被害と比較しシミュレーションの正確さを検証するため、(1)の方法で福島第1原発についても計算した。
 算出された放出量に、各地域の風向きや風速など、1年分の気象情報をもとに試算、地形は考慮していない。国際原子力機関(IAEA)が避難の判断基準として使用している「7日間で100ミリシーベルトの被曝(ひばく)」を超えた地域を割り出した。
 規制委は改定中の原子力災害対策指針で原発から半径30キロ圏内を避難準備などの対策が必要な重点区域としている。東電福島第2原発でも30キロを超える地域で避難が必要と予測された。日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)、関電高浜原発(同県高浜町)、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)でも避難が必要となる地域が県境を越えた。



●原子力規制委員会
第七回 原子力規制委員会
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html
配布資料3-2拡散シュミレーションの試算結果
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0007_05.pdf
島根原発は37~39ページ。