8~12世紀に構築された古代の山陰道の遺構_鳥取市の青谷上寺地遺跡_鳥取県埋蔵文化財センター

●産経ニュース 2012年10月26日
青谷上寺地遺跡 古代山陰道まるごと出土 路面は小石舗装 鳥取http://sankei.jp.msn.com/region/news/121026/ttr12102602030000-n1.htm
 古代の山陰道とみられる道路が鳥取市の青谷上寺地遺跡で確認されたと25日、鳥取県埋蔵文化財センターが発表した。同センターによると、基礎部分から路面までほぼ完全な形で出土したのは古代の主要官道「駅路」としては全国で初めてで、当時の土木技術を知る上でも貴重としている。
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 青谷上寺地遺跡は、2世紀後半の弥生時代の集落跡で、弥生人の脳のかけらが出土したことで知られる。同遺跡の第14次調査として6月に始めた発掘で、弥生遺構より地表に近い層から入念な工法で構築された道路の遺構が見つかった。
 道路は、粘土で盛り土をした上に木の枝を束にした粗朶(そだ)を重ね、さらに粘土をかぶせて路面に小石を敷き詰めた構造。約4メートル幅の路面の両側は緩やかな斜面になっており、道路全体の幅は約7・8メートル。最外部には1メートルほどの間隔で列状に杭が打たれていた。
 今回出土した部分は、南東から北西に直線で延びる約30メートル。北東側の「片側」が確認された。周辺の地層で出土した土器のかけらから、道路は8世紀から12世紀までの間に構築され、使われていたとみられる。
 長崎外語大の木本雅康教授(歴史地理学)は「道路遺構は、路面など上部が削られて残っていないことが多く、全体の構造が確認できるのは珍しい。古代の土木工法を知るためにも貴重」と話している。
 現地説明会は27日午前11時から正午までと、午後1時半から2時半までの2回開かれる。