不動院岩屋堂・妙高山神光寺・岩屋神社・五輪塔と宝きょう_三徳山三佛寺・投入堂_ジビエ鹿肉・食事ランチ・夢豆庵_鳥取県八頭郡若桜町_鍛冶屋(かじや)温泉・八頭町_中国山地に拡がるニホンジカ

今日は、1月1日以来の全日休み日。
美味しいものを食べて、ゆったりと♨に入りたいと、雪の残る氷ノ山方向へ。

岡山県、兵庫県と県境が接する鳥取県東部の山間地、若桜町(わかさちょう)を目指す。
山沿いや田、畑の周りはフェンスだらけ。
電気柵や赤いフラッシュライトも設置されている。
近年、ニホンジカが増えているからだというが、人間側が檻に入っている感覚がした。
車道には所々に雪除けと思われる高い塀もあり、里山の景観は楽しめない。

まずは腹ごしらえ。
国道29号線道の駅の道路向かいにある洋食屋・夢豆庵(むとうあん)に入る。
清らかな川とまだ芽吹かない山を見ながら、ジビエ若桜鹿メンチカツランチとコロッケを頂いた。

不動院岩屋堂

道の駅で地図を見て、「不動院岩屋堂(ふどういんいわやどう)」を知る。
温泉を後にまわし、八東川の上流へ。

三朝町の三徳山にある投入堂によく似た建造物が車道の川向こうに見えた。



不動院岩屋堂
鳥取県八頭郡若桜町214
修験道寺院/天然の岩洞に設けられた窟堂




・創建806年。飛騨の匠が建築し、10数年後には七堂伽藍が完成したとされる。
・弘法大師(空海)の開祖と伝えられている。
・1772〜1781年(安永年間)に大修理。
・1953年(昭和28年)11月14日に国の重要文化財の指定を受けた。
・1955年(昭和30年)〜1957年(昭和32年)に解体修理が行われた。




・現在の堂は、鎌倉時代(1185〜1333年)初期の源頼朝による再建と伝わるが、室町時代(1336〜1573年)初期頃の建立と推定されている。
・本寺は妙見山神光寺の一部であったといい、百五十石の寺領を有し周りには7堂もの大伽藍があった。
・妙高山神光寺は今はない。羽柴秀吉(豊臣秀吉)が鳥取城攻めの際にこの付近を焼き払い全山焼失。本尊が火の神様であったため、この本堂だけが焼け残ったと言われている。(因幡には秀吉に焼かれたという寺が他にもいくつかある。)
・日本三大投入堂(鳥取県東伯郡三朝町・三徳山三佛寺、大分県宇佐市院内町・龍岩寺、鳥取県八頭郡若桜町・岩屋堂)の一つ。
・本尊は、空海32歳の作の伝承をもつ黒皮不動明王で、東京の目黒不動と目赤不動とともに日本三大不動の一つとされる。
・毎年3月28日と7月28日には五穀豊穣、交通安全などを祈念して護摩法要が行われ、本尊の不動明王が一般公開される。



三徳山投入堂との比較

投入堂に行ったのは、去年の10月。
<ブログ内リンク>
三徳山三佛寺・投入堂

<年代>
・706年 三徳山開山(行者が里で建立した御堂を法力により投げ入れた)
・806年 岩屋堂創建
・1100〜1200年頃 投入堂創建
・1200〜1500年頃 岩屋堂再建(建立)
・1772〜1781年 岩屋堂大修理
・1915年 投入堂修理
・1955〜1957年 岩屋堂解体修理
・2007年 投入堂修復

投入堂=国宝、岩屋堂=重要文化財。
投入堂と岩屋堂との関連性はないのだろうか?
資料は見つからなかった。研究されていないのだろうか?

高校生の時に、日本史か世界史を選択しなくてはならない場面があった。
現存する物については非常に興味があったものの、今を生きることに精一杯だった青春。
教科書の厚さは同じだった。広く浅い世界史の方が嘘が少ないだろうと思った。


勝手に推測。
<あり得ない>
1、投入堂を里で建てた。
2、建立した御堂を行者が法力により投げ入れた。
3、後に岩屋堂を建てた。
<どっちが先か?>
1、投入堂を建てた。
2、それを見て、岩屋堂を建てた。
※または、岩谷堂が先で後に投入堂。
<岩屋堂は投入堂の試作>
1、投入堂を建てることが決まった。が奥深い山の中。
2、三徳山の岩壁に似た天然の岩洞が里にあった。まず岩屋堂を建てた。
3、その後、三徳山の投入堂を建てた。





結論として、二堂は似ていることと、
私には、非常に魅力的に見え、感動したことを記しておく。
両方とも現在の岐阜県で育った人々が鳥取県に来て建てたのだろうか。


団体のみ、国の重要文化財の中に登り、岩屋堂に入ることが出来る。


「不動院岩屋堂ガイド」特別公開企画
・団体対応 最少催行人数20名(最大収容人数80名)
・料金 350円

鳥取県若桜町観光協会
八頭郡若桜町大字若桜341-1 TEL:0858-82-2237 FAX:0858-71-0221
http://kanko.town.wakasa.tottori.jp/plan/other/other3/



右手の岩屋神社



五輪塔と宝きょう

150m先に「五輪塔と宝きょう」があるという→看板を発見。

五輪塔?宝きょう?
寺院や神社などの五重塔上部の相輪が浮かんだ。宝輪(九輪)?
若い時によく読んだ宮本武蔵の地・水・火・風・空の5巻「五輪の書」も頭をかすめたが、
相輪のある木造建造物を想像した。
そこに宝物が納められていると・・・


道らしい道がない。どこを歩けばいいのか不明。
川沿いの土手をしばらく歩けど、見当たらない。
林の中に墓が見えたので行ってみた。

五輪塔
岩屋堂の納骨壺入五輪塔
若桜町指定文化財

・山林に石垣が築かれ、平家残党の墓と伝えられる11基の五輪塔がある。
・「水輪内部をくりぬき須恵器質の長頭壺を蔵しており、壺には火葬骨らしいものが納められている。このような納骨設備をもつ五輪は珍しい。」と石に刻まれている。
・地水火風空の各輪には、四面に月輪で囲まれた梵字が刻まれており、形態から見て鎌倉末期から南北朝期ではないかとされる。
・水輪内部をくりぬいた納骨設備をもつ五輪塔は鳥取県内では珍しいらしい。


「五輪塔と宝きょう」が墓と関係していたとは・・・無知!
帰りは田んぼの畦道。シカのフンを避けながら歩いた。

<備考>長砂与五郎の五輪塔
http://www.town.wakasa.tottori.jp/dd.aspx?menuid=1232
・若桜町内最大の五輪塔


日帰り温泉
温泉は、どこに行くか迷ったが、空いていそうな八頭町の鍛冶屋温泉へ。
ここも以前にはなかった鹿除けの柵が山道の両側や施設周辺に設置されていた。
案の定、客は誰もいない。
ステンドグラスと山並みを見つつ、湯を独占し、ゆっくりと浸かった。
無料のマッサージ機もたっぷりと動かし、畳の休憩室に移動。
入館後1時間ほどして、父と小学生程度の娘が1階のロビーに。

男湯と女湯に分かれるのだろうか?それともどちらかを貸し切りにするのだろうか?
と思って見ていたが、温泉には入らず、卓球を始めた。
自分の人生と娘が重なった。
ビンポンの音と楽しそうな笑い声を聞きつつ、畳でウトウト。ゆったりとした時間を過ごした。

<ブログ内リンク>鍛冶屋温泉・久遠の湯・八東地域福祉センター
鍛冶屋温泉の名前の由来の看板を見つけた。
中国山地のあちこちのたたら製鉄と関係が有り、鍛冶屋さんがこの辺りに住んでいたらしい。
現在は、源泉掛け流しではない。


春はまだまだ・・・

<備考>五輪塔
仏塔の一種。インドが発祥といわれ、遺骨(舎利)を入れる容器として本来使われていたが、日本では平安時代末期から供養塔、供養墓として使われるようになった。時代や時期、用途によって形態が違う。
インドにおいて宇宙の構成要素・元素と考えられた五大を象徴する。
下から方形=地輪、円形=水輪、三角形=火輪、半月形=風輪、宝珠形=空輪を積み上げた形に作られる。
密教の思想、特に空海や覚鑁の影響が強いらしい。
<備考>宝きょう(宝篋印塔)
仏塔の一種。基礎に宝篋印心咒経の文字を刻み、 様々な形態がある。
五輪塔と同じ密教系の塔で、日本では鎌倉中期以降宗派を問わず造立されるようになった。
<備考>中国地方の野生鳥獣の保護管理
鳥取県ニホンジカ保護管理計画
http://www.pref.tottori.lg.jp/152967.htm
鳥取県「イノシシ・シカ」解体処理衛生管理ガイドライン
http://www.pref.tottori.lg.jp/169801.htm
岡山県「野生鳥獣の保護管理」
http://www.pref.okayama.jp/page/273042.html
岡山県「鏡野町鳥獣被害防止計画」の策定について
http://www.town.kagamino.lg.jp/modules/cms/pub_content_detail.php?id=730&stat=0
島根県「県内の中国山地に拡がるニホンジカについて」中山間地域研究センター
http://www.pref.shimane.lg.jp/chusankan/kenkyu/choju/nihonzika_chugokusanchi.html



●毎日新聞 4月2日(火)
鳥獣被害:「最前線基地」新設、八頭郡地域にセンター 技術開発や実証実験 /鳥取

 イノシシ、シカなどによる農林業の被害が拡大する中山間地域の現状を踏まえ、県全域の対策拠点となる県の「鳥獣対策センター」が1日、八頭町郡家の同町庁舎内に新設された。最近特に被害が深刻な問題となっているシカの約7割が捕獲される八頭郡地域(八頭、智頭、若桜町)にセンターを構えることで、鳥獣被害の「最前線基地」として、鳥獣捕獲の新技術開発や実証実験などに取り組むという。
 これまで鳥獣対策は県農林水産部生産振興課の職員が担当していたが、被害拡大を受けて組織を独立。鳥獣対策専任の担当者を同課の3人(うち非常勤1人)から、5人(同)に人員を拡充した。猟師や解体処理技術者など鳥獣対策に関わる人材育成や、被害情報の収集、ジビエの流通促進などの業務を行う予定で、新年度はシカ捕獲装置の実証、普及とシカの捕獲推進支援に重点を置く。
 シカの捕獲では、昨年若桜町内に初めて導入した、動物の出入りをセンサーで感知し自動的にわなを作動するシカ用の自動捕獲装置を新年度予算で新たに購入。一度に4、5頭を捕獲可能な装置として改良する。また、これまでシカ1頭につき1万円だった捕獲奨励金を、国の予算を活用し、最大1万8000円まで引き上げる。
 この日は同センターで開所式が行われ、平井伸治知事らがセンターの看板を掛けた。平井知事は「地域の食文化を守るだけでなく、話題のジビエなどをうまく活用すれば観光の目玉になり得る」と強調。竹本勝幸所長は「八頭地域には野生王国とでも言うような害獣被害の実態がある。東町(本庁の所在地)にいては分からない現場の声を聞いて、対応していきたい」と新体制の抱負を語った。
 同センターによると、1000以下で推移していたイノシシやシカ、クマ、ヌートリア、カラスなど害獣の捕獲数が、2009年1045▽10年2954▽11年2427−−と増加傾向にある。中でもシカは09年の549頭から11年には1780頭と急増。山中の農作物を荒らすだけでなく、街中の民家の庭先で暴れたり、道路に飛び出して車と衝突事故を起こしたり(11年で11件発生)するなど、住民生活に支障をきたす事態が発生していた。